キミと、光さす方へ
1人の男子生徒が教室に入ってきたのだ。


それに続いてクラスの女子がキャアキャア言いながら入ってくる。


廊下には他のクラスの女子たちも集まってきていた。


あたしは唖然としてその場に立ちつくしてしまった。


背の高い、爽やかな男子生徒。


その生徒と目が合った瞬間ニコッとほほ笑まれた。


大きくて印象的な目が細められたとき、周囲の女子生徒がまた黄色い悲鳴をあげた。


そのくらい、カッコイイ生徒だったのだ。


男子生徒は躊躇することなくあたしの前まで歩いてきた。


だ、誰!?


こんな人、B組にいないよね!?


イケメンが目の前にいて自分の視線に困ってしまう。


咄嗟に逃げようとしたとき「おはよう仲村さん」と、そのイケメンが言ったのだ。


「え……」


その声。


まさか……。


「松本くん……?」


あたしは恐る恐る名前を呼んだ。


人違いだったらどうしようと焦る気持ちがある。
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