キミと、光さす方へ
しかしその男子生徒はニッコリと笑って頷いたのだ。
「え、うそ、松本くん!?」
「髪を切ってみたんだ。仲村さんがそうした方がいいよって言ったから」
確かに数日前あたしは松本くんにそう言った覚えがあった。
目元が完全に長い前髪に隠れているから暗い印象になるのだと。
松本くんがあえて前髪を伸ばしているのだろうということはわかっていたから、まさか本当に切ってくるなんて思っていなかったのだ。
それに、今日はいつもよりも笑顔が多い。
他の女子生徒たちに交じってこっちまでドキドキしてきてしまう。
「なんかスッキリした。ありがとう」
ペコリと頭を下げてそう言われ、あたしは慌てて顔の前で左右に手を振った。
あたしは髪を切ってみたらいいと言っただけだ。
こんなに急変するとは思ってもいなかったし、松本くんの本来の明るさがようやく戻ってきただけなのだ。
「松本くんってあんなにカッコ良かったんだ」
「全然気付かなかったよね」
「好きになっちゃいそう!」
女子たちのささやき声に一瞬胸に違和感が走った。
松本くんが自分からクラスに打ちとめようとしているのは嬉しいことなのに、なんだかモヤモヤとした気分になる。
「え、うそ、松本くん!?」
「髪を切ってみたんだ。仲村さんがそうした方がいいよって言ったから」
確かに数日前あたしは松本くんにそう言った覚えがあった。
目元が完全に長い前髪に隠れているから暗い印象になるのだと。
松本くんがあえて前髪を伸ばしているのだろうということはわかっていたから、まさか本当に切ってくるなんて思っていなかったのだ。
それに、今日はいつもよりも笑顔が多い。
他の女子生徒たちに交じってこっちまでドキドキしてきてしまう。
「なんかスッキリした。ありがとう」
ペコリと頭を下げてそう言われ、あたしは慌てて顔の前で左右に手を振った。
あたしは髪を切ってみたらいいと言っただけだ。
こんなに急変するとは思ってもいなかったし、松本くんの本来の明るさがようやく戻ってきただけなのだ。
「松本くんってあんなにカッコ良かったんだ」
「全然気付かなかったよね」
「好きになっちゃいそう!」
女子たちのささやき声に一瞬胸に違和感が走った。
松本くんが自分からクラスに打ちとめようとしているのは嬉しいことなのに、なんだかモヤモヤとした気分になる。