キミと、光さす方へ
泉はなぜか怒っている。
「前にも言ったけど、もうあまり関わらないほうがいいと思うよ」
声を小さくしてそう言われた。
わかってる。
暴力現場を見ているし、これ以上松本くんに関わると本気でこっちの身が危ないことくらい。
それでもなんでかわからないけれど、ほっておけないのだ。
「琴江はもっと、自分の幸せのために行動しなきゃダメだよ」
泉は腕組みをして言った。
自分の幸せのため……。
あたしはつい、うつむいてしまった。
返事ができなかった。
自分は幸せになるべきじゃないと、心の中のもう1人の自分が言っている。
言われなくても分かってる。
だから、目の前に幸せが待っていても自分から手を伸ばしたことなんて1度もない。
誕生日のプレゼントを選ぶ時も、いつも一番欲しいものではなく、2番目に欲しいものを指差した。
両想いになれそうな男の子がいても、自分から遠ざかった。
そんなことをしてどんな意味があるのと聞かれれば、答えることができない。
「前にも言ったけど、もうあまり関わらないほうがいいと思うよ」
声を小さくしてそう言われた。
わかってる。
暴力現場を見ているし、これ以上松本くんに関わると本気でこっちの身が危ないことくらい。
それでもなんでかわからないけれど、ほっておけないのだ。
「琴江はもっと、自分の幸せのために行動しなきゃダメだよ」
泉は腕組みをして言った。
自分の幸せのため……。
あたしはつい、うつむいてしまった。
返事ができなかった。
自分は幸せになるべきじゃないと、心の中のもう1人の自分が言っている。
言われなくても分かってる。
だから、目の前に幸せが待っていても自分から手を伸ばしたことなんて1度もない。
誕生日のプレゼントを選ぶ時も、いつも一番欲しいものではなく、2番目に欲しいものを指差した。
両想いになれそうな男の子がいても、自分から遠ざかった。
そんなことをしてどんな意味があるのと聞かれれば、答えることができない。