闇に堕ちたシンデレラ
「うわぁ〜!嬉しい!」

憧れの役を演じられることが嬉しくて、あたしは友達に抱き着いてしまう。友達は「重いよ〜」と笑いながらも「おめでとう」と言ってくれた。

「衣装は演劇部が用意してくれることになっていますけど、身に付けたいアクセサリーなどがあったら持ってきてもいいです」

そう委員長から言われ、あたしは盗んだアクセサリーたちを思い出す。シンデレラの水色のドレスに似合うアクセサリーはきっと見つかるはず。

「わかった。家から何か持ってくる!」

せっかくシンデレラを演じるなら、思い切り豪華にしたい。そう思ったあたしは、思いっきり着飾ることを決めた。

ネックレス、ブレスレット、バレッタ、ブローチ、アンクレット……。

たくさん集めたアクセサリーをテーブルの上に並べてどれがいいかを選ぶ。でも、どれもいまいちピンとこない。

「やっぱりアレがいいなぁ」

あたしが思い浮かべたのは、最近できたばかりのアクセサリーショップだ。そこには可愛らしいティアラが置かれている。
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