闇に堕ちたシンデレラ
「えっ!?空を飛んでる!?」

驚くあたしに女の子は「だってあたし、魔法使いだもん」と言いながらあたしの目の前に降りた。その刹那、その可愛らしい笑顔は怖い顔へと変わっていく。

「こんばんは可愛いお嬢さん。盗んだティアラはどこ?」

何であたしがティアラを盗んだって知ってるの?まさか、こいつあの店の店員?あたしの体に冷や汗が流れる。

「知らないよ〜。何かの間違いじゃない?」

あたしがそう言うと、「ほんとに?これに見覚えないの?」と言って女の子はティアラを手に取ってあたしに見せる。それはあたしの盗んだティアラだった。

「えっ!?」

あたしは慌ててかばんの中を見る。すると、いつの間に女の子が取ったのか、かばんの中にティアラはなかった。

「ティアラ、盗ったんだよね?」

女の子の目が鋭くなる。でも罪を認めるのが怖くて、あたしは「知らない」と繰り返した。すると、女の子の顔は最初に見た可愛らしい笑顔へと変わる。
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