闇に堕ちたシンデレラ
「何よ！自分の息子がいい大学通っているからって！」

朝食を食べ、身支度を済ませて家を出てから、あたしはブツブツと継母に対する悪口を言いながら歩く。これもいつものことになってきてしまった。

その時、ピコンとスマホに誰かからメッセージが送られてくる。確認すると友達からだった。

『今日、数学の小テストあるじゃん？休み時間に一緒に勉強しよ〜！』

その文を見て、あたしは「しまった！」と呟く。数学の授業で使っているノートはもう最後のページまで書いてしまっていた。新しいノートを買うのを忘れてしまっていたんだ。

「確か、この先にストアがあったよね」

お財布はちゃんとある。あたしは普段は立ち寄らないストアへと向かった。

機械音を立てながらドアが開く。そして、元気とは言えない店員の「いらっしゃいませ」という声で出迎えられた。

ストアの店内は、朝ということもあってかお客はあたし一人だけだった。店員も一人だけだし。

「えっと〜……ノート、ノート……」

初めて来たストアだから探すのに少し時間がかかったけど、ノートを見つけることができた。これで数学の時間に他の教科のノートに書かなければならないという事態は回避された。
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