月夜に私は攫われる。
仁愛のアドバイスになるほど、と相槌を打つ。
胸の突っ掛かりは無くならないけれど、何だか妙に納得した。

やっぱそういうものかぁ。


「うーんそうだよね。じゃあ取り敢えず今はいっか」

「よし解決だね。流石わたし」


ふふん、と自慢げな顔をする仁愛。やっぱり可愛すぎる。

けれどもそんな心情を知ってか知らずか。

のほほん、と表情筋を緩めきっている私に、次の瞬間、仁愛はとんでもない爆弾を落とした。


「あ、そうだ。椿、次の授業の宿題やって来た?」

「へ?」


次の授業って何だっけ、と聞くと呆れた顔をされた。
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