月夜に私は攫われる。


図書室にも無かった.......。

私はトボトボと帰路を歩いていた。私の顔色はというと、真っ青を通り越して真っ白で絶望一色にまみれている。

すれ違った人に同情するような目で二度見されたから、相当酷い顔をしているんだろう。


はあぁーと深く息を吐き出した後、先程の司書さんとの会話を思い出してみる。






『あ、あの....っ、ちょっと聞きたいことがあるんですけどっ!!』

ガラガラとドアを開けて勢い良く図書室に入った私に、司書さんが目を丸くした。

私はというと息切れが酷すぎて、カウンターの角を掴みながら暫くその場で膝をつく。

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