月夜に私は攫われる。





けれどもその考えによって後に後悔する羽目になるとは、この時の私はもちろん知らない。





──愚かな子羊は、背後から舌なめずりをして迫ってくる黒い影の存在に、まだ、勘づけていなかった。




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