俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
何はともあれ、加勢が来た。
…しかし、これで安心してはいけなかったのだった。
「神威さん、ここは私が相手するよ!」
「悪いね…」
神威さんは苦笑いで真凛にその場を譲る。
傷付いた体を抱えて後退りをしていたが。
「…はっ?」
その場を離れる神威さんの前に、突然現れた大きい影。
神威さんは目を見開いてまた後退りをし、その状況に俺たちも息を呑んだ。
切り替えた結界の中に入ってきたのは、仲間だけではなかったのだ。
人間のサイズではない、バカでかい図体。
筋肉質で真っ白な地肌は、テカテカとしていて不気味だ。
赤い髪に覆われた頭頂部からは…一本の大きい角!
真凛に拘束されたままの黒い翼の彼は、大声で笑う。
「あははは!…白金鬼、そいつを殺れ!殺してしまえ!」
新たな敵!…しかも、明らかに人間じゃない!
神威さんを見下ろして、ジリジリと迫るテカテカ白肌の『鬼』。
神威さんは苦虫潰した顔をしながらも、よろよろと再び大剣を構える。
「白金鬼、白金鬼…あぁっ!」
横で美奈人が大声をあげた。