俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
そう言って美奈人はカウンターから出る。
片手でカバンの中を探り、メモとペンを取り出していた。
「というか、美奈人クン。赤ちゃん抱いてるってどういうことデスか」
「おっ。玲於奈もお初か?俺のプリティエンジェル、びわたんだよーん!」
「ああ、ゆずらサンの赤ちゃんデスか」
だが、そんな呑気な会話を繰り広げる連中とは裏腹に、神妙な面持ちで俺の傍にやってきたのは、音宮陰陽事務所の二人だった。
「伶士くんは、ケガないの?」
「は、はい…」
「まさか、この時点で伶士くんに直接接触してくるとは思わなかった。見通しが甘かった。すまない」
「い、いえ!」
菩提さんが頭を下げるその横で、なずなは何も言葉を発さず不機嫌な表情を見せていた。
「あの野郎…」と、呟きながら。
だが、そんな様子を遠くから見ていたのか。
そこで陽気な声が上がる。
「おーい!優の弟子と娘!そんな辛気臭い顔してないで、一緒にハンバーグ食おうぜ!ハンバァァーグ!」
「そだそだ。俺たちで追い払ったから心配すんなー」