俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

…何だなんだ。その某ロングランアニメの主役のような挨拶は。

身分高い者の挨拶ではないじゃないか。それに、こんなラブリーな見た目して自分のことを『おら』とか言うな。

猿の尻尾とは違って、おまえの尻尾はフワッフワだぞ。

心の中でなんとなく毒付くと、なんと返事が返ってくる。





おら、みためや身分なんか気にしないぞ!

じんるい皆きょうだいだ!いぇー!




そう聞こえて、ポメラニアンは「わんわん!」と叫ぶ。

え。心の声がバレた。何で何で?

人類?…貴方、犬でしょう。

全身がザワッとしてくるわ!



そんな俺とわたあめ犬の様子を遠くから見ていたのか、席一つ向こうの豹牙がその場から俺に話しかけてくる。



「そこの兄ちゃん、ぽめが何言ってるかわかるの?」

「え…」



逆にみんな、わかんないの?



辺りを見回すと、全員揃ってキョトンとしている。



「ぽめの言葉、主人の俺でさえ何となくしかわからないんだ。会話出来るぐらいはっきりわかるのは、星見である俺の義姉上だけ」

「え?そうなのか?」
< 135 / 541 >

この作品をシェア

pagetop