俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
…何だなんだ。その某ロングランアニメの主役のような挨拶は。
身分高い者の挨拶ではないじゃないか。それに、こんなラブリーな見た目して自分のことを『おら』とか言うな。
猿の尻尾とは違って、おまえの尻尾はフワッフワだぞ。
心の中でなんとなく毒付くと、なんと返事が返ってくる。
おら、みためや身分なんか気にしないぞ!
じんるい皆きょうだいだ!いぇー!
そう聞こえて、ポメラニアンは「わんわん!」と叫ぶ。
え。心の声がバレた。何で何で?
人類?…貴方、犬でしょう。
全身がザワッとしてくるわ!
そんな俺とわたあめ犬の様子を遠くから見ていたのか、席一つ向こうの豹牙がその場から俺に話しかけてくる。
「そこの兄ちゃん、ぽめが何言ってるかわかるの?」
「え…」
逆にみんな、わかんないの?
辺りを見回すと、全員揃ってキョトンとしている。
「ぽめの言葉、主人の俺でさえ何となくしかわからないんだ。会話出来るぐらいはっきりわかるのは、星見である俺の義姉上だけ」
「え?そうなのか?」