俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
だが、その様子を一瞥し、不敵に笑う持国天の表情から、耐え切れないほどの異様な圧力を感じる。
『…こざかしいわ、愚か者!』
濃厚な殺気が衝撃波を作り、彼女は真後ろに綺麗に吹っ飛ばされる。
悲痛な叫び声に、胸が抉られるかのようだ。
憑依型の神童に一人で立ち向かうだなんて、自殺行為。
そんな彼女を助けたくて、目の前に張られたままの結界を無意識に、手で何度も殴り付けていた。
『愚か者…愚か者よ。魔族の力を手にして喜ぶ腐れた愚か者よ…!』
ダメだ。俺たちは、奪われてはならない。
二度と、傷つけられてはならない…!
『だから、パンドラの箱を開けてくれるなよ。リグ・ヴェーダ?』
背後から忍び寄る、複数の足音。
振り向くと、そこには俺たちを『仇』と謳う連中らがいた。
『桃李が何者か、何故従者を従えているのか考えもしなかったのかよ?…ツメが甘いな?』