俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
ホテルの屋上が戦場となったあの日から、一週間は経つのだけど。
音宮のおじさんの現状、そして…自分が何者なのかを知ったはずなのだけど。
だいたいが頭の中で整理がついたはずなんだけど。
何処となく足が宙に浮いたままのような気がするのは、否めない。
…まさか、会ったこともない曽祖母は、未来を予言する夢を見る予言者だとか。
その予言でかつての戦争の采配をしていたとか。
俺がその力を受け継いでいるとか。
だから、あの黒い翼の彼に狙われているのか…と、までは辿り着いたけど。
ここまでに、夢に関する不思議な現象は、いくつもあった。
肌で感じているはずなのだけど。
でも、まだ何処となく他人事のように扱っている自分がいる。
戦局はこれから。
…その戦局に、俺は関わっているのか?
だとしたら、俺はどうするべきなのか?
何をしたらいいのか?
答えは、よくわからない。
「伶士、おーい」
「…ん?…な、何?」
「さっきから呼んでるのにボーッとするんしゃない!」