俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
私達、付き合い始めて、ようやく一か月過ぎた頃なのに。
浮気?
…って、何?!
私たち、お互い忙しくしながらも、それなりにうまくいってると思ってたんだけど…。
他の女の影?…いつの間に!
…しかし、怒りだとか落胆の方へと感情が向かないのは、忠晴さんの一言が気になって。
『伶士さまの様子が変なんです』
恐らく、忠晴さん的にそこが引っ掛かってるんだろう。ただ挙動不審であるとかの問題じゃなく、それは由々しき事態の『異変』なのだろう。
だから、私に電話を寄越した。
でなければ、大事なおぼっちゃまの不貞を私に密告しているだけの話になる。
私とは仲良しとはいえ、忠晴さんは仮にも橘家の執事。主である大事なおぼっちゃまを、不貞如きで裏切る真似はそうそう…。ここは本妻には黙っておくのが忠義というもの。
様子が変…?
今日、学校で会った感じは何ともなかったような。
ただ、教室の前で出くわして挨拶しただけだけど。
…そういや、スズチカが言ってたな。