俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
気が付くと、隣にはなずなが俺の顔を見上げてじっと見ている。
表情が気持ちムッとしているのは…俺が返事をしなかったから?
さっきから呼ばれていたんだろうか。
「ご、ごめん」
「疲れてるんなら、毎日無理して来なくて良いんだぞ」
シラッとした視線を受けて、気持ち焦る。
「つ、疲れてない!…ちょっと考え事」
「ふーん。まあいいや。…今日はな?嬉しいやばすな報告があるんだ」
嬉しいやばすな報告?やばす?…って、何。内容も言葉も。
なずなは「ふふーん」とドヤ顔をしているが。
「で、やばすな報告って?」
「ふふふ。なずなさん、明後日退院決まりましたよ。ふふふ」
「お?ほんと」
「春休み、残り少ないけど…」
そう言って、ずーんと落ち込む。
いや、落ち込む気持ちはわかるよ。だって明後日退院したって、後三日もすれば新学期だ。
だが、ヤツのリバースは早い。
「…てなわけで!…私の言いたいこと、わかるだろ?」
「………」
な?な?と、確認してくるも、何故か「えへへ…」と照れ笑いをしている。
…あーわかった。もうわかった。