俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
怒りに任せてヨーテリはワンワンわんわん吠えに吠えまくる。
間に『グルルル…』と、唸りを入れながら。
「どうした、どうしたヨーテリ!何をそんなに怒ってるんだ!」
吠えて吠えて興奮するヨーテリを抱っこして宥める。
別に心当たりがないわけじゃないけど…。
結界の中に、あのヤ××ンヤローがいるじゃないか!
あいつがまぞくといるなんて、いったいなにがどうなってんのさ!
あのヤ××ンヤロー、すぱいだ、すぱい!
…ヨーテリは何故か、伶士のことをひどく嫌っている。
私の彼氏になったと告げた時には、物凄く怒り狂っていた。
なずなちゃん、だまされるな!あんなイケメンにてごめにされたらポイされるよ!…なんて。でも、だからといって、伶士を卑猥な言葉に置き換えて呼ぶな。仮にも私の彼氏だぞ…。
周りの話によると、どうやら私の彼氏となった伶士が爽やかイケメンなのが気に食わないらしい。
シマッピ先輩の時は眼中にも入れてなかったもんな?おまえ…。ブサイクヤンキー!うんこー!だなんて。
…だが、ヨーテリの口にした言葉の中に気になるワードがいくつか。
「…魔族だって?」
伶士と一緒にいるのは、魔族…?
嫌な予感っていうやつは、必ずといっていいほど的中するのであった。