俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
だとしたら、リグ・ヴェーダとは関係のない他の手の者なのか?
誰だ。誰だ…?考えろ。
獲物を特定し、策を講じて、伶士を取り返さねばならない。
…伶士が魔族の手にかかったというこの時点で、はっきり言ってミッション失敗だ。
失態を犯したこの時点で、私はペナルティ…減俸。ああぁぁ…。
しかも、これは民間の依頼ではなく、総本山の命令。これからの陰陽師生命にも関わる。私だけではない。剣軌も。…正直、只じゃ済まないんだ。
だが、やられっぱなしだと、ますます只じゃ済まない。
伶士の被害を限りなく最小の状態で、獲物の手から取り戻し、相手を叩き潰す。
そこまでが護衛というもの。
ボディガードである以上、そこまでの任務を全うしなければならないのだ。
伶士を取り返すためには…考えろ。
今、自分が何をしなければならないのか。
……ずなちゃん、なずなちゃん!
ちょっと、聞いてる?!
「……んっ?!な、何?」
耳元でけたたましくワンワン吠えられて、ようやく我に返る。
ヨーテリが『グルルル…』と、唸っていた。