俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

あぁ…本当だろうか。

ベッドの上で一晩中、いちゃこらしていたのだろうか。



その光景を想像しては、ずーんと落ち込む。



昨晩、あれから試しに伶士にLINEしてみたのだ。

『何してる?明日練習試合だって?』と。



結果、ものの見事に既読スルーだ。



既読はしてんのかよ…。その上、何の返答もないなんて。

伶士の返答がないなんて、こんなことは初めてだ。いつもなら、向こうからうるさいほどマメに連絡してくるくせに。

だから、異変といえば本当に異変なのである。



しかし、カノジョである私のLINEは無視し、別の女と一晩中いちゃこらしてるとは…。

もし、『魅了』などの何らかの術にかけられているとはいえ、これは相当堪えるぞ?グッサリ傷付いてる。



…これがもし、普通の女子なら浮気だ浮気だ騒いで泣き喚いて、男を責めまくってるんだろな。

ケンカだケンカ。



けど、私の場合はそういうわけにはいかない。状況が状況であることを理解しているし、護衛という立場がある。



《おんなのこなのに、しょうきのさたじゃないよ!》



…正気の沙汰じゃないな、本当。
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