俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
そうこうしているうちに、あっという間になずなが退院して、その翌日には待ちに待ったお約束のお食事会、初デートも済ませて。
あっという間に春休みが終わり、あっという間に新学期を迎える。
俺たちは、もう二年生。
でも、この高校にはクラス替えがない。
なので…。
「お、伶士おはよ」
「伶士、おつかれ。話題の人物登場?」
「颯太おはよう。お、陣内も。話題の人物って何だよ」
「ちょっとちょっと私もいるでしょうが」
「美森、小さくて見えなかった」
「…こら!」
…教室内のメンツも担任も一緒。
教室が変わっただけで、何の代わり映えもない新学期である。
クラス替えが無い理由とは、約20年前のミスターが、好きな女子と離れ離れになりたくないがために、この高校特有の【ミスターの権利】というヤツを行使してワガママを言ったらしい。
…一生徒のワガママでクラス替えが無くすことができるなんて、ミスターって何なんだろう。校長より偉いの?
おかげさまで、科目別の展開授業、移動の多いこと。二年生から大変だ。