俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
それから、車は一時間かからずに試合会場へと到着した。
近代的な造りの綺麗な校舎に、立派な設備のサッカーグラウンド…名門の私立高校らしい。
何処かで見たことあると思ったら、昨年の伶士の警護の依頼で一度来たことある場所じゃないか。忠晴さんと一緒に初めて伶士の試合を見たところ。
今回も一緒に忠晴さんと試合観戦…。
…と、いうわけにはいかない。今回は。
サッカー部には、むーをはじめ知り合いがたくさんいる。
万が一私の存在がみんなに知れて、冷やかしなんかに合った時、伶士の態度が素っ気ないと、伶士が正気でないことが周りにも感付かれる。
そうなると、ややこやしいことになるので、私は姿を潜めて試合観戦…というよりは、会場内の監視、観察に徹することにした。
それをも予想していたので、服装はいつもとは違うシンプルなものにもしていた。黒のニットカーデ、クロップド丈のデニムにスニーカー。キャップなんて被って。こんな服装の女、どこにでもいるだろ。いつもの私とも全然違うし。
それに、ひょっとしたら、あの女が姿を見せるかもしれない。