俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
正面玄関の垣根に身を潜めて、伶士の登場を待つ。
接触時のシミュレーションを頭の中で何度も繰り返しながら身を潜め続けていると、男子の話し声、土を擦る複数の足音、人の気配がした。
…もう解散したのか、部員が続々とジャージ姿でグラウンドの方からやってきたようだ。
身を潜めたまま、視線のみを動かして伶士の姿を探す。
バラバラと男子の集団が現れる中…そんなに時間もかからずに、伶士の姿を見つける。
いた。いたぞ。
ジャージ姿の伶士の隣には、同じクラスの一番仲が良いという曽根颯太がいる。
これといった変わりもなく、普通に話をしているようだ。伶士に至っては笑顔も見せているよう。
曽根は、伶士の異変には気付いていないか。
しばらく見守っていると、二人はお互い手を挙げて別れる。
曽根は正門へ、伶士は…裏口の方へと歩いていった。
忠晴さんと待ち合わせをしている方向だ。
この学校の裏口は、限られた地元の生徒しか通らない。生徒の通りが少ないので、敢えてそっちでいつも待ち合わせをするんだとか。
伶士は今、一人だ。
幸い、他の部員も誰もいない。