俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

正面玄関の垣根に身を潜めて、伶士の登場を待つ。

接触時のシミュレーションを頭の中で何度も繰り返しながら身を潜め続けていると、男子の話し声、土を擦る複数の足音、人の気配がした。

…もう解散したのか、部員が続々とジャージ姿でグラウンドの方からやってきたようだ。

身を潜めたまま、視線のみを動かして伶士の姿を探す。

バラバラと男子の集団が現れる中…そんなに時間もかからずに、伶士の姿を見つける。

いた。いたぞ。



ジャージ姿の伶士の隣には、同じクラスの一番仲が良いという曽根颯太がいる。

これといった変わりもなく、普通に話をしているようだ。伶士に至っては笑顔も見せているよう。

曽根は、伶士の異変には気付いていないか。



しばらく見守っていると、二人はお互い手を挙げて別れる。

曽根は正門へ、伶士は…裏口の方へと歩いていった。

忠晴さんと待ち合わせをしている方向だ。

この学校の裏口は、限られた地元の生徒しか通らない。生徒の通りが少ないので、敢えてそっちでいつも待ち合わせをするんだとか。



伶士は今、一人だ。

幸い、他の部員も誰もいない。

< 205 / 541 >

この作品をシェア

pagetop