俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
嘘と事実を微妙に組み込んだ結果、伶士が花魁女郎蜘蛛の魅了にかかり囚われたという事実は、催眠術師女の仕業という微妙にお粗末なアンサーとなってしまった。
だが、そんな微妙な嘘にも、このむーという親友は合わせてくれる。
「おおぉぉ。催眠術。伶士殿もなずぽも不埒な輩に巻き込まれてしもて大変だのぅ?カノジョも楽じゃないな」
「ほ、ホント!そーだわ。カレシがモテるとマジ困るー」
動揺を滲み出しながら、私とむーは言葉を交わすが、間にいるスズチカは私らの嘘を信じきっているのか、顔がマジだ。
「で、解決するアテはあるのか?まさか伶士、催眠術にかかったまま…なずぽよ、大丈夫なのか!」
「ま、まぁ…対抗してこっちも催眠術師雇って対決するから心配ねーわ。何なら警察呼ぶし。問題ない」
「そ、そぉーか!…てなわけで、スズチカ。このことは他言無用だぞ。みんなに知れたら大騒ぎだかんな」
すると、スズチカは「おう!」と元気の良い返答をする。
「解決に向かってんのなら文句はねえ!伶士には個人的にカンチョーの制裁を俺が加えるとして…なずぽよ。催眠術女に負けるなよ!」
「お、おう…」
なんて安い男だ。