俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
まさかリグ・ヴェーダが魔界屈指の大物を味方につけて人間界に連れてきているとは、想像もしないだろう。
『花魁女郎蜘蛛の目的は何か、だ』
「と、いうと?」
『魔界五本指に入る強さを持つ花魁女郎蜘蛛が、なぜあのクソヤローと一緒にいるのか?どんな美味い話を吹き込んで、花魁女郎蜘蛛を味方につけたのか?…相応の対価と利害が一致しないと、有り得ないだろ。…【色鬼】の白金鬼同様』
「それか…」
最近、私達の中では、深まる疑問がある。
それは先月、ペンタグラムにて。来店していた伶士に、リグ・ヴェーダが接触してきた時の話だ。
美奈人の作ったアラート結界が作動。伶士を遠ざけ、そこに居合わせた神威さんがヤツと対峙した。
アラートを停止するため、通常結界に切り替えた際、間に合った真凛がその中に飛び込んだ。
しかし、その際にリグ・ヴェーダへの加勢も同時に飛び込んでくる。
その魔族が、あの【白金鬼】だったというのが、疑問なのだ。