俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

「もう弓削センセイからのあの依頼はとっくに終わってるんだから、もう『音宮』に戻してもいいじゃない」

「うん。でも手続きがいろいろメンドーでさ。保険証とかは剣軌が直してくれたけど、学校関係はそのまま。…糸田先生も、卒業までそのままでいいんじゃないかって。卒業証書は『音宮』にしてくれるって言ってたし」

「あら。糸田先生お元気?仙ちゃんもちゃんと先生やってる?みなみ先生、星天高校に戻ってきたんでしょ?」

「元気だよ。みんな気遣ってくれる」



幾代さんは、星天高校の出身じゃないけど、なぜか星天高校事情に詳しい。

それは、友人であるその陰陽師の先輩が星天高校の卒業生で、彼女を通して糸田先生らと面識があるから。

前に言っていた、星天高校で陰陽師に理解がある先生というのは、サッカー部の監督、糸田先生のことだ。

剣軌も、糸田先生には仰山お世話になったよう。



そんな世間話をしているうちに、一番奥の部屋に辿り着く。

ここが、幾代さんの『情報屋』としてのお仕事スペース、その手の客との応接に使っている部屋だ。

「さ、入って?」と案内され、デザイン性のある赤いソファーを勧められる。
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