俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
まあ、剣軌たちと合流するまで出番はなさそうだけど…。
しかし、これで完全に繋がった。
花魁女郎蜘蛛は、リグ・ヴェーダが仕掛けた刺客。
…けれど、こんなにも呆気なく伶士が向こうの手に渡るだなんて、誰が考えただろうか。
警護に抜かりはなかったはず。
でも、その僅かな隙を潜り抜けられて、あのヤローにしてやられたと思うと、気が触れそうだ。
だが、あのヤローが放った刺客、花魁女郎蜘蛛はそれほどキレもので強い。この一言に尽きるだろう。
明日、剣軌らと合流したとして、格上相手にどういう手筈で攻め入るのか。
剣軌は考えているだろうけど、ある程度予測して、更に情報を集めなくては。
「…ちょっと、なず?」
「ん?…何?」
気が付くと、幾代さんにジーッと見られている。
半ば呆れた表情をしているのは、気のせいだろうか。…話しかけられていたの、私気付かなかったとか?
「なずは、ちゃんと遊んでる?」
「へ?」
「友達と買い物したり、お茶したり。恋バナしたりしてる?」
「え?…してるけど?」