俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
伶士の体内に魔力を充填させるメリットは、何か。
推理が前進したように思えるが、実は不可解な疑問の方が増えているのが現状だったりする。
トイレでヤツの羽根をゲロったと思われる直後、淡々と試合を続ける伶士の霊力の流れが幾分か普段通りに近くなっていた。
顔色も朝よりは良くなっているようだった。恐らく、魔力溜まりを吐き出してスッキリしたのだろう。
…やはり、伶士はリグ・ヴェーダの羽根を口にしていたとして間違いない。
『…わかった。報告ありがとう。夕方までには戻るから、引き続き監視を頼む』
「……うん」
と、従順に返事はしてみるもの。
内心は「はぁ?まだ待機なのか?」というのが本音で。
伶士の身体は、明らかに魔力に侵されているんだぞ…?
あの様子じゃ、立ってるのがやっとだ。…普通なら。
だが、現在の伶士は【傀儡】によって、無理矢理体を動かされているようなもの。
苦しい、辛いという意思表示が出来ない状態だ。
そんな肉体の悲鳴など無視され、無理矢理平静を装わせられているのだ。
これを黙って見守ってろっていうのかよ…!