俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
魔界に残してきた同胞、腹心、黒曜、白金は消された…。
言葉の意味を繋げていき、徐々に明らかとなる事実に胸の鼓動が早くなっていく。
そして、花魁女郎蜘蛛は伶士の胸に手を出してそっと当てて、顔を埋める。
欲を隠さず、肌を求めるように。
「其方の『核』は丁重に保管し、傷を癒しておる…『器』も早よう用意せねばならぬ…」
核、器…?
(…はっ!)
その言葉を聞いて、ほんの数週間前にペンタグラムで仲間が漏らしていたことが、急に降ってきたように思い出される。
《【夢殿】の力を保有している伶士くんそのものを御所望、ですか…》
《それはつまり、夢殿の夢見の力を欲しているわけではないと?》
《…まるで、器が欲しいというような言い方だね》
《器…》
…哲太くん、ビンゴだ。
そして、極め付けの一言を耳にした私は、愕然とせざるを得ない。
「其方はこれから、私の『愛しい』人になるのだ。だから、吐き出さないで、受け止めておくれ…あぁ、私の『愛しい』水晶鬼様…」
…わかった。
わかってしまった…奴らの目的が。