俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
そして、猫撫で声を出す花魁女郎蜘蛛は、自分の唇を伶士の口に押し付けて、濃厚にキスを与える。
口にした羽根を吐き出さないように、塞ぐかのように。
肌を擦り合わせて抱擁し合い、再びベッドがギシギシと音を立て始めた。
ベッドの軋む激しい物音と、花魁女郎蜘蛛の下品な喘ぎ声を耳にしたまま、私は…放心していた。
発覚してしまった奴らの目的の全容を知って。
リグ・ヴェーダ、花魁女郎蜘蛛、色鬼らが手を組んで伶士を狙った目的。
それは…『器』を手に入れるためだった。
恐らく、とある魔族の復活、蘇生のためだ。
まず、伶士を【傀儡】で操って囲い始めた理由は、それは『魔力の充填』で間違いない。
その復活させる魔族の『器』を作るために。
一晩では達成しきれない程の魔力の充填が必要なため、日数をかける必要があった。
だから周辺には何もなかったかのように平静を装わせる必要があったのだろう。
なぜ、奴らが伶士をその『器』に選んだのか。
それは、伶士が大量の霊力をぶら下げていられる程の器そのものが魅力だったに違いない。
それだけの霊力量、霊圧があれば大量の魔力充填も出来るだろう、と。