俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
そして、『魔力の充填』にはリグ・ヴェーダの羽根と花魁女郎蜘蛛による肉体交渉を利用した。
奴らは、そのとある魔族…色鬼魔族のボス『水晶鬼』を復活蘇生させるために。
伶士に水晶鬼の『核』を与えるつもりなのだろう。
…謂わば、大掛かりな半人半魔契約だ。
伶士を、魔族に…半人半魔にするつもりなのか?!
だが、そんなことしてみろ?伶士は【夢殿】、聖域由来の力を持っている者と同化させれば、魔族なんて聖域の力で消され…。
だが、その時気付く。
…いや、違う。
伶士は【夢殿】であるが。
その力を継承しているだけで、覚醒には至っていない。
故に、魔族が嫌う聖域の力も発動しない。
現在は、ただの霊力量の多い人間。今の伶士は高位魔族の『器』に最も適した人物とみて間違いない。
伶士にしか持っていない『特別なもの』とは、これだった。
こんな状態である今の伶士に魔力が充填され、水晶鬼の『核』が与えられたのならば…。
魔力の強い水晶鬼に体を乗っ取られ、意識を食い殺される…。
(…やられた!)