俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

「…で、もうヤッたの?の?」

「………」



…この男も、いったい何を考えてるのやら。



部活の小休憩の時間に、突然後ろから現れたデカい男。

チカだ。

まだ陽も暮れていないにも関わらず、この男はまたしても、卑猥な質問をぶっ込んでくるのでした。



「何でそんなこと聞きたがるんだよ、チカは…。ずっと気にしてるよな」

「え?だって、クラスの女子と部活のダチがデキてたら気になるもんじゃね?な?」

「…気にならないよ普通」

「わー!嘘だ!伶士の痩せ我慢!」

「部活中にそんな卑猥な話を聞きたがるのはチカぐらいだよ」

「えー?そー?フッフー」

カラカラと悪びれなく笑って、チカは向こうに行ってしまった。

先輩らのいる方へと向かって行った。

…あわわ。先輩に絡みに行ったぞ!



「ったく。明日から来る新入生の前でだけはやめてくれよな…。あいつ絶対後輩全員にD Tなのかどうか聞いて回るぞ」



颯太がそんなチカの姿を目で追いながら呟く。

確かに、やりそうだ…!

パワハラな先輩も嫌だけど、同性のセクハラな先輩、もっと嫌だわ。
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