俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

むっ。

おまえ、ひょっとしてイベント記念日気にしない系?

…と、思ったけど。

そういえば、なずなは誕生日に辛い思いをしているんだった。



自分の父親が、目の前でやられて、長い間眠り続けることとなった、忌まわしいとも言える日。



なので、そこはごにょごにょと口をつぐんでうやむやにしておく。

しかし、記念日気にしない彼女を前にすると、記念日気にする男はどうしても女々しく見えて、そんな自分にガッカリしてしまった。俺って…。



結局、当日は忠晴の車で迎えに行くことに。

当日指定された場所は、お馴染みのカフェであるペンタグラムからそう離れていないところだな、と思ったら。

いざ到着してみたら《綾小路日本舞踊教室》と物々しい看板が立っていてビックリした。

わわわ。綾小路先生の御宅でしたか…!



『退院したら顔を出せって言われてたんだ』



それから、そんなに待たずになずなが出てきて、車に乗り込んだ後にそう説明してくる。

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