俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
「は…」
そう言って、チカは「ふんっ」と突っぱねる。
それはまるで、カレシに約束すっぽかされていじけた女子のよう…。
というか、なんでチカがそんな態度を取るんだ?
記憶の無い間、俺、何かしたのかな…チカを怒らせるようなこと。
普段ふざけてばかりで、そんなに怒らないヤツだからな。
身に覚えがないのに、そんな態度をされると悲しくなってくる。
いや、俺が何かしたんだろう。…ホント、記憶が無いって混惑するな。
「チカ…」
「あぁん?」
「俺、何かした?」
念のため、その理由を聞いてみる。
だが、再びキッと睨まれた。
「だーかーら!自分の胸に聞いてみろや!」
「………」
ダメだ。何か知らないけど、相当御立腹のようだ。
けど、事情がわからなければ、教えてももらえない。
これはもう…事情がわかったら、謝罪会見するしかないようだ。
それよりも何よりも、なずなが休み…。
会えると思っていた俺は、相当甘かったらしい。
なずなの身に何かあったのか?と考えざるを得ない。
忠晴は『囚われた俺を、なずなが助け出そうとした』と、話していた。