俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
振り返った時には既に遅く、反応出来ないままチカの手刀が額のど真ん中に炸裂する。
サプライズと痛みで思わず悲鳴をあげてしまった。
もろにチョップ食らった…!
「何だよなんだよぉーっ!ちょっと冷たくしたらシュンとして!…何でそんなに被害者ヅラしてんだよぉぉ!」
「え…」
「不覚にもキュンとしちまったけど…でも、俺は許さんぞ?!おまえがやらかしたことをぉぉ!」
「え?え?…わわっ!」
普段からデカいのに、感情混じって更にデカくなった怒鳴り声は、教室中に響き渡る。
その上、俺の襟に掴み掛かってきて、グイッと引っぱられる。
チカの顔、アップ。
そして、チカは言いたいことを好き放題言ってくるのでありました。
「なずぽよには黙っとけ言われたけどなぁ?やっぱりそんなの我慢できん!…いくら催眠術にかけられたからといって、好きだった女を足蹴にするとわ、見損なったぞぉぉ!」
「さ、催眠術?」
「おまえの心の乱れだ!乱れ!どこの馬の骨かわからん女に付け込まれて催淫…あ、間違えた。さ、さいみん。さいいんじゃない。…催眠術かけられるなんてよぉぉ!」
噛んだ。噛んだのか?