俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

「おまいらケンカはやめだやめ。それにスズチカ、急にそんな話吹っ掛けたら伶士殿混乱しとるだろがい。何を約束破っとる」

「で、でも俺、我慢出来なかったんだよぉー!」

「修行が足りんぞこのあほ。今のおまえ信用ゼロ」

「ええぇぇ!」



そして、川村は椅子からスタッと降りる。

俺の方を向いた。



「スズチカが喋っちまったなら仕方ねえ。…伶士殿、顔貸してくれ」



…こうして、俺は川村に連れられて6組を出る。

信用ゼロになったチカは置き去りにされて。





「なずぽは今日も学校に来てないみたいだな」



俺の少し前を歩く川村は、ボソッと呟きながら、空き教室へと身を進める。

「来い来い」と手招きされた。



「い、いったい何が…俺、いったい何を…」



中に入ってそう言い掛けた時に、ドアがピシャリと閉められた。

そして、俺は川村から驚愕の事実を聞かされることになる。

週末、何が起きていたかを。



「…え?俺が…女の人と?!」

「わっちはその現場を見とらんがな?スズチカにはばっちり目撃されとった」
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