俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
だが、川村は「ははっ」と笑う。
そして、更なる思いもかけないことを口にしては俺を驚かせるのだった。
「そんなことは別にいーんだけどよ。…それにしても、なずぽはだいぶ負傷したようだな」
「えっ!」
「連絡したらスマホの電源落ちとった。どうやらそれどころでは無いらしい。…電源落ちた時にいた場所は、自宅だな」
そう言って、川村はスマホの画面をまた見せる。
これは…位置情報アプリだ。
「たぶん、なずぽは病院か家で療養中じゃ」
「い、生きてるのか?」
「なんじゃそりゃ。…死んどらんとは思うけどな。もし死んでたら陰陽師の兄貴がわっちに連絡してくれるとは思うし」
陰陽師の兄貴?…菩提さんのことか。
だが、『死んでない』この一言で、取り敢えず安堵の息をつく。
あの夢といい、まさかの最悪の結末が頭から離れてくれなかったから、余計。
大袈裟に推定したとはいえ、死んでないのは良かった…。
「まあ…死にそう、にはなってるかもしれんがな?」
「…え?」