俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
大きな通りから道一本中に入って…すると、あった。やはり、あった。
モノトーンで統一されたモダンな造りの建物。もう、そこはお馴染みの場所。
えっ。ペンタグラムだ。何故ここを通る?
すると、川村が目の前を指差した。
「そこがなずぽんちのマンションじゃ」
「えっ!」
そこは、ペンタグラムとは道路挟んで向かいにあった、背の高いマンションだ。
ここらの地域は築年数の経った古いマンションが多いが…このマンションだけは新しく、高級感が溢れている。
しかも、他のマンションと比べて高さ頭ひとつ出ていた。15階建ぐらい。
っつーか、ペンタグラムの向かいか!こんな近くに住んでたとは…!
…ちなみに、冬。薫を連れてペンタグラムに来た際、飛び出した薫とあれやこれや話し合った場所が、このマンションの傍だった。
好きな人の自宅の傍で、元カノと問答していたとは…!
「ここの最上階が、なずぽんちだ。同じフロアの隣の部屋に、美しいがドス黒く笑う恐ろしいあの兄貴が住んでる」
「………」
…もう、驚くしかない。
川村の菩提さんに対する言い回し方にも。