俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
だが、これで驚いてはいけない。
実はこれから、まるで次元が違う驚愕が待っているのだから。
「ではさっそく行こうかの」
川村の後を追って、ペンタグラムを横目に通り過ぎ、道路を渡る。
清潔でただ高級感が漂うマンションの近代的なデザインの扉を開いた。
中に入ると、ズラリと並ぶメールボックスと、真ん中には画面が添えられた呼び出しインターホンがあった。
オートロックで、カメラ付きインターホン。それなりの防犯装備があるとは、やはり高級マンションらしい。
陣内の家のマンションには、何もなかったぞ。
そんなことに興味がわいてフラフラしている最中に、川村は俺に前置きもなくインターホンを押していた。
って、おい。緊張の瞬間のはずなのに、俺に構わずそのボタンを押すとは。
ピンポーンと音が響くのを、少し離れたところから耳にするカタチとなる。
「おい…」
声を掛けて赴こうとしたが、川村に無言で手を挙げて制止される。そこから動くな、と。
その上、「しっ」と口元に指を当てていた。
えっ。何で。