俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

「芋けんぴか、おまえは」



パーカーのフードを被って、インターホンに出たなずな。

そのフードからちらりと見える顔は、確かになずななんだけど。



『うっせぇわ。…ちょっとしくった』

「しくった?しくったどころの話じゃないだろ。変身しとるぞ?」



…何故か、激ヤセしているのでありました。




顔は、骨のカタチがわかるぐらいゲッソリとしていて。

まるで、栄養が行き渡っていない老婆、もしくは難民の子どものよう。

確かになずななのだが。

顔貌が、すっかり変わってしまっている…!



な、何で?!

何でこんなに激ヤセしてんの?!



…死んでなくて、良かった。

歩いてインターホンに出れるくらいだ。大きいケガもないのだろう。



だが…何故か、ゲッソリとやつれて痩せている、その顔。

こんな結末、誰が想像しただろうか。

芋けんぴ、なるほど。




「…まあ、いい。中に入れろ」

『むー。おまえ、一人か?他に誰かいないだろな』

「誰を連れてくるっつーんだ。いいから開けろ」

< 346 / 541 >

この作品をシェア

pagetop