俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
川村がそう急かすと、インターホンのスピーカーから『わかった』と声がして、通信がブツッと切れる。
代わりに中の自動ドアがサーッと開いた。
すると、川村が振り返って、俺に手招きする。
「驚いたろ。ま、来い」
「え、え?な、何なんだあれ?…何があったんだ?」
湧き出る不可解な疑問を川村にぶつけながら、後に続いて自動ドアの向こうへと身を進める。
「…今回も相当派手にやりおったらしいな。前にもあったんだ、こんなこと」
「前にもって、これが?何であんなにゲッソリ…!」
「なずぽらが戦いに使う霊力ってのは、生命維持にもある程度必要なもんらしい。その残しとかねばならない霊力までも戦いに使うと、あーやって激ヤセするそうだ」
体内の霊力をふんだんに使ってしまうと、ああなるのか?
水分みたいなものなのか。
まるで、萎びた野菜?
確かに…あんな変貌を遂げていたら、人前には出れない。まるで別人だ。
「だから、学校に来れなかったのか…」
「それだけではない。霊力カラッポなんだ。恐らく歩くのもやっとだぜ」
歩くのがやっと?!…確かに。もし、あの激ヤセが全身に及ぶものだとしたら、そう考えられる。