俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

後ろを振り返らないおまえが嫌いだ

★★★






広々とした静かな廊下に、ピンポーンと響く。

だが、足音も気配もなく、しばらく静寂が訪れた。

…え?いないの?



と、思った途端、ガチャンと鍵を開ける音がした。

川村一人で来ているという設定なので、反射でサッと身を隠してしまう。

変にドキドキしながら、陰からそっと見守った。

そして、ドアが静かに開くのだった。



「よぉ…」



ドアの陰になっていて、見えにくいが。

その僅かな隙間からチラリと見える姿に、絶句するしかなかった。

画面越しではなく、遠くながらも生で見るその姿は痛々しい。



「衝撃スクープだぞ、この見てくれ」

「…うっせぇわ」



その姿を目にするのは初めてではない川村も、多少引いているよう。



会いたかったなずなの姿は、先程同様パーカーのフードを被ったままであるが。

やはり、顔はゲッソリと尋常じゃないくらいやつれていた。

発する声はいつもより小さく、立っているのがツラいのか、背を丸めて短く息をしている。

まるで、闘病中の患者さんのようだ。

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