俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
「お、怒るなよ…マジ、今回ヤバかったんだよ。生きてるのが奇跡っつーか…」
「…あぁ?死ぬとこだったのか?」
「まあ…」
その返答に、川村の表情はグッと険しくなる。
「おまえ…何もわかってねえな?」
「あ?」
いつも飄々としている川村が、こうして怒りを顕にしているのは珍しい。
…でも、わかる。
その理由は、なずなが自分自身をぞんざいにしていることだ。
「わっちらが、どれだけ心配してると思っとる…」
だが、なずなはため息をついていた。
「バカヤロー。任務だぞ、これは」
「あぁ?任務だぁ?…そんなん命いくつあっても足りん職業、もう辞めてしまえ!」
「はぁ?辞めろって?待て待て待て、落ち着け…」
「嫌じゃ!わっち、なずぽが死ぬのは嫌じゃあぁぁっ!」
興奮して怒鳴り散らした川村は、ハァハァと息をきらしている。
なずなもここで怒られるとは思わなかったのか、目をパチクリとさせていた。
「なずぽ、おめえ…わっちとの約束忘れたとは言わせんぞ?…わっちらはずっとマブでいるって言ったよな?」