俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
「わ、わかった。悪かったよ…あんま怒んなって。こんなこと滅多にないから、気にすんな」
「その言い訳、おざなり過ぎるわ。逃げんなあほ」
取り敢えず、丸く収めようとしていたのが速攻でバレてる。
ヤツは、あはは…と苦笑いを浮かべていた。
「と、とにかく。こんな見てくれだから、しばらくは学校に行けない。だから頼むわ」
「頼むわって何だ。…伶士殿のことか?」
トゲのある言い方に、「うっ…」と声を漏らしながらも頷いている。
…その時。
今度は俺がムカッとした。
「ま、まあ、そんなとこ」
そうじゃない。そうじゃないぞ。
俺のこと、他の誰かに頼むな…!
…俺のことは、俺に直接聞かせてくれ。
そう思うと、何も考える間もなくそこから飛び出していた。
「…てめえで言え」
「は?…しばらくは無理だ。こんな姿…」
「てめえで言えぇっ!…たこ!」
「…どけっ!」
駆け出して、飛び込むように二人の間に入る。
俺の叫び声にいち早く反応した川村は、身軽にひょいと後退し、俺に道を開ける。
「はっ…?」
突然目の前に現れた俺を見上げて、ヤツは唖然としていた。