俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
ゆっくりとソファーに横向きに降ろした後、そこら辺にあるブランケットを掛けてやる。
ソファーに蹲る姿は、本当に病人のようだ。
まだこっちを見ないそんななずなは、ボソッと呟いた。
「…何で来たんだよ」
顔を背けたまま、またフードを深く被り直す。
その痩せこけた痛々しい姿、余程俺に見られたくないようだ。
気持ちはわからないわけじゃないけど…。
「…っつーか、何でこっち見ないの」
…こんなに面と向かってるのに、こっちを見て貰えないのは悲しくてイラっとする。
わかってはいるんだけど、逆に意地悪に酷な事を問い返してしまう。
「…は?こっちは『何で来たのか』って聞いてんだぞ」
「そんなの川村同様おまえが心配だったからに決まってるじゃねえか。そっちこそ、何で俺の方を見ないんだよ」
「…こんなバケモノみたいな顔、見せられるか」
そう言って、ますます突っぱねる。
とうとうソファーの背もたれに顔を埋めてしまった。
バケモノみたいな顔、か…。
「…それ、俺のせいだろ」
「………」
「俺が、敵に捕まったりしたから…だろ?」
「………」