俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

核心に迫ると、なずなは何も答えなくなってしまった。

…何で、肝心な事を話してくれないんだ。

そのだんまり対応は、俺の胸の奥に焦りと苛立ちを与える。



「…週末、何があったんだ?」

「………」

「…黙ってたら何もわからないって。なぁ?」



依然、沈黙を保ったまま、なずなはそっぽを向いている。

余程話したくないのか、話せないのか…こればかりはなんとも推測出来ない。

俺の記憶が無かった間、何があったのか知りたいのに。

というか、この逃げられない状況でずっと無視され続けんの?



弱冠困った状況になったな…と、ため息が出そうになった、その時。

なずなの方からか細い声が聞こえる。



「…伶士は知らなくていいんだ」

「は?」



今度はブランケットを頭まで被って喋り出す。



「…これは任務を全うした結果だ。だから、伶士は何があったか気にしなくていい」

「は、はぁっ?!」



やっと聞き出せた一言が、それ?!

何があったか詳細を語るワケでもなく、蚊帳の外へ追いやるつもりか?!



ただ、愕然とさせられる。

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