俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
…恐らく、こいつにとって、護衛とはそういうものなんだろう。
襲撃による動揺を護衛対象に与えないように、陰ながら徹底して護る。
普段の生活に影響を与えないように。
けど、それは依頼主とボディガードの関係の話であって。
俺たちの関係は、それだけじゃない。
そんな一方通行の間柄ではない…!
なずなに俺の想いが少しも伝わっていない。
やはり、俺たちの間には壁が一枚ある。
そう思うとカッとなってしまい、溜め込んでいた感情が吐き出された。
「そ、そんなんで納得出来るかよ!俺のこと、何だと思ってるんだよ!」
「な、何って…」
「なずながこんな状態になって、黙っていられると思うのか?!俺のせいなのに?…そんなに薄情じゃないぞ、俺は!」
「…伶士のせいじゃない」
「あぁ?!俺のせいじゃない?…話は忠晴と川村から聞いて大体想像ついてんだ!俺が変な女に連れて行かれて、それを追っていたって…それでも俺のせいじゃないって言えるのか!」
「………」
いつの間にかブランケットから覗かせていたなずなのその目は、大きく見開いていた。