俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
俺がそこまで事情を知っていないとでも思っていたか?
けど、なずなは動揺する様子はなく、淡々と言い放つ。
「伶士、これは…任務だ」
「あぁ?」
「これは、私に課せられた任務。身の危険のリスクなんて重々承知の上でやってるんだ。だから、こうなったのはもちろん伶士のせいじゃない。だから、何も気にするな。罪悪感背負う必要もない」
「…この状況、気にすんなっつー方が無理だろ!何でだよ!任務云々の関係の前に、俺らは…!」
《…おしえてやろうか?》
感情的になずなに詰め寄っていたところで。
俺の頭に、突然第三者の声がはっきりと響く。
「…え?誰…」
辺りを見回すが、室内には俺となずな以外、人の姿はない。
人の姿は…。
《なずなちゃんをそんなにせめるな!ヤ××ンのくせに!》
人はいないが…そこには、犬がいた。
もしゃもしゃとした茶色い毛足のお座敷犬。
俺に向かってグルルル…と唸った後、わん!と吠えている。
「よ、ヨーテリ…?」
俺の傍には、あの放送禁止用語連発の卑猥なお座敷犬。
ヨーテリが現れたのだった。