俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
ヨーテリは現れるなり、ワンワンわんわん!とけたたましく俺に向かって吠え続ける。
まるで、糾弾するかのように。
『なにがあったか、じじょーもしらないでしりたいしりたいって、むせきにんなんだよ!おまえわ!』
「む、無責任って…」
「ヨーテリ?…いるのか?!」
ヨーテリに糾弾され混惑しかけたその時。
なずなが割って入るように、大声で問い掛けた。
だが、その様子がいつもとは違う。
「ヨーテリ、どこだ?!どこ!…余計なことを言うんじゃないぞ!」
バッと起き上がり、焦ってキョロキョロと辺りを見回している。
まるで、探しているかのように。
クソ畜生は、俺の目の前にちょこんとお座りしているんだけど。
『…みえてないんだよ』
ヨーテリの低く発した言葉に、目を見張って振り返る。
犬の乏しい表情ながらも、そう言ってなずなを見つめるヨーテリは悲しそうだ。
『…今のなずなちゃんは、霊力がカラッポなんだ。ぼくのこえやすがたどころか、いつもみえる浮遊霊らもみえない』