俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~

「よ、ヨーテリ!何を喋ってる?やめろよ?…やめろ!」



ヨーテリの姿が見えないなずなは、そこにいるであろうという予測をつけた方向に向かって必死で喋りかけているが。

実際にヨーテリがいる場所と、いまいちピントが合っていない。

本当にヨーテリの姿が見えていないと、改めて実感させられる。

ヨーテリは、なずなには見えていないのをいい事に『やめないよー。べぇー』と、なずなに向かって小さい舌をペロッと出していた。

言いたい放題する気満々だ。




だが、放心しかけながらも、ヨーテリの言葉だけは、耳にはっきりと入ってくる。

まるで、これが俺の『罪』と『罰』だと言わんばかりに。



…愛する方が、罪なのか?



『なずなちゃんは、じぶんのいのちすてるかくごでおまえをたすけようとしたんだ!』



…何でだよ。



『なのに、おまえは!あやつられて、うらぎって!なずなちゃんのくびをしめてころそうとして!じょーだんじゃない!』



俺が…?

なずなを裏切った?…殺そうとした?



(う、嘘だ…)

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