俺のボディガードは陰陽師。~第五幕・白昼夢~
自分のバカさ加減に、呆れるもいいところだ。
起こったことにショックを受けたのか、自分の見通しが甘かったことを情けなく思うのか。
いや、両方だ。
なずなが、俺のために傷付く。
命を落とす。
…それは、再びあってはならないことだった。
思い出すのは…倒れるなずなの、後ろ姿。
《…おまえぇぇっ!いったい、何してくれてんだああぁぁっ!…あああぁぁぁっ!》
あの時に味わった…絶望、混惑、後悔。
腕の中で、冷たくなったなずなの重み。
奥底でぐるぐると巡る…胸の痛みと苦しみ。
ひとつひとつ鮮明に思い出されては、胸が裂けそうなほど苦しくて。
『おまえなんか、なんもつよくないくせに、なんのちからももってないくせに!』
だけど、裏切りと危害を加えたという事実が本当ならば。
『いつもくちばっかで、なずなちゃんに、なにもしてやれてないくせにぃっ!「へたこいたー」で、すむとおもうな!このヤ××ンヤロー!』
「お、俺は…」
『罪』が重すぎて、そんなものでは…到底許されないはずだ。
「…なずなを、殺そうとしたのか?」